エホバの証人の聖書

啓示(黙示録) 1:9

新世界訳聖書(エホバの証人)
あなた方の兄弟であり,イエスと共になって患難と王国と忍耐をあなた方と分け合う者であるわたしヨハネは,神について語り,イエスについて証ししたために,パトモスと呼ばれる島に来ることになった。

新改訳聖書聖書(ファンダメンタル)
私ヨハネは、あなたがたの兄弟であり、あなたがたとともにイエスにある苦難と御国と忍耐とにあずかっている者であって、神のことばイエスのあかしとのゆえに、パトモスという島にいた。


 この聖句について、岩村義男氏は「神のみ名は「エホバ」か」の本の中でこのように指摘しています。

「神について語り」は本文に忠実ではありません。『王国行間逐語訳』では、「神の言葉のゆえに」です。翻訳を見る限り、「エホバの証人」は偽りの証人ではありませんか。また「イエスについて証しした」は、字義通りには「イエスの証人」です。
啓示1章9節、12章17節、19章10節(2回)、20章4節には、「イエスの証人」が、5回登場します。
(一部省略)

 すこし指摘されている聖句を見てみましょう。

啓示 12:17
新世界訳聖書(エホバの証人)
それで龍は女に向かって憤り,彼女の胤のうちの残っている者たち,すなわち,神のおきてを守り行ない,イエスについての証しの業を持つ者たちと戦うために出て行った。
啓示 19:10
新世界訳聖書(エホバの証人)
そこでわたしは,彼の足もとにひれ伏して彼を崇拝しようとした。しかし彼はわたしに言う,「気をつけなさい! そうしてはなりません! わたしは,あなた,また,イエスについての証しの業を持つあなたの兄弟たちの仲間の奴隷にすぎません。神を崇拝しなさい。イエスについて証しすることが預言に霊感を与えるものなのです」。

 岩村氏は、上記聖句のうちの20:4に同じ問題があると指摘します。

啓示 20:4
新世界訳聖書(エホバの証人)
またわたしは,[数々の]座を見た。それに座している者たちがおり,裁きをする力が彼らに与えられた。実に,イエスについて行なった証しのため,また神について語ったために斧で処刑された者たち,また,野獣もその像をも崇拝せず,額と手に印を受けなかった者たちの魂を見たのである。そして彼らは生き返り,キリストと共に千年のあいだ王として支配した。

 これについては、参照資料付き新世界訳聖書が脚注でこう説明しています。

啓示 1:9 脚注
字義,「神の言葉とイエスの証しにより」。
啓示 20:4 脚注
字義,「イエスの証しにより,また神の言葉により」。

 新世界訳聖書自身が、ここが意訳であることを明示しています。

 この聖句には関連する聖句があり、そこに神学上の問題があります。わかりやすい例を挙げると、啓示 1:2と6:9があります。

啓示 1:2
新世界訳聖書(エホバの証人)
[ヨハネ]は,神の語られた言葉と,イエス・キリストの行なった証し,すなわち自分の見たことすべてについて証しした。
啓示 6:9
新世界訳聖書(エホバの証人)
また,彼が第五の封印を開いた時,わたしは,神の言葉のために,またその行なっていた証しの業のためにほふられた者たちの魂が祭壇の下にいるのを見た。

 1:2で語っているのは神とイエスです。一方の6:9で語っているのはクリスチャンです。このような用法の違いがあり、1:9と20:4は中間的な用法となります。そこで、動作主が明示されていないこの二つの聖句をどう読むかということが問題になります。新世界訳聖書はこの聖句がクリスチャンの証しについて語っているものと判断し、誤読を防止するために訳文に調整を加えています。

 旧約聖書翻訳委員会訳聖書(岩波)は新世界訳聖書と同じ考え方をしています。

啓示 1:9
旧約聖書翻訳委員会訳聖書(岩波)(エキュメニカル)
あなたたちの兄弟でもあり、イエス・キリストのうちにあって、患難と王国と忍耐とをあなたたちと共にわかち合っている私ヨハネは、神の言葉〔を伝え、〕またイエス・キリストについて証言〔した〕ために、パトモスとよばれる島にいた。
脚注
直訳は「神の言葉とイエスの証言のために」。


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