JWPC - Jehovah's Witnesses Press Club
輸血拒否のための法的・技術的情報
「医療上の指示」証書について
2000年5月1日更新

ものみの塔聖書冊子協会は、「医療に関する事前の指示および継続委任状」に加え、携帯に便利な「医療上の指示」証書を用意しました。
これは、4つ折りにするとカードサイズになる証書です。
この証書はバプテスマを受けたエホバの証人が会衆の書記から受け取り、携行することができます。
バプテスマを受けてはいないものの、成人しておりかつ輸血拒否の意思がある人に対しては、ものみの塔聖書冊子協会はこの証書を参考にしながら自分で同等の証書を作成するよう勧めています。

この証書は当初「医療上のお願い」と題するただのカードでした。
日本においては、患者が輸血を拒否する良心上の権利というものが法的に認められておらず、輸血を拒否するエホバの証人は自分の意志が尊重されるよう、ただ医師に懇願することしかできなかったからです。
しかし、ここ数年にわたって法曹界や医学界には変化が生じ、それに調和して、このカードは「医療上の宣言」証書に、ついで1999年1月からは「医療上の指示」証書になりました。
この証書は法的拘束力を持つものであり、もはや医師が個人の判断で無視できるというようなものではありません。
以下にその内容を掲載します。


医療上の事前の指示 兼 免責証書
私 [ 記名 ] は、自らの意思の正式な表明として、この事前の指示書を作成いたします。これらの指示は、事情を把握した上での私の堅い決意を表わすものです。この文書は、私の判断能力が弱まったり失われたりした時、あるいは私が自分の意思を十分に表明できなくなった時に効力を有します。
私は、いかなる状況のもとでも、たとえ医師たちが私の命や健康を守るために不可欠であるとみなす場合でも、私に輸血(全血、赤血球、白血球、血小板、血漿)をしないよう指示いたします。無血性の増量剤(デキストラン、生理食塩水、リンゲル液、ヘタスターチなど)、およびその他の無血性の医療処置は受け入れます。
この指示は、私のうちに深く根ざす価値観と信念に基づき、医療処置を受け入れたり拒んだりする法的に保障された自己決定権を行使したものです。私はエホバの証人の一人であり、『血を避けていなさい』などの聖書の命令に対する従順に基づいてこの指示書を作成いたします。(使徒 15:28, 29)私は、これまで [ 記入 ] 年 [ 記入 ] か月間、この宗教上の確固たる立場を保ってきました。現在、私は [ 記入 ] 歳です。
また私は、輸血に関係する種々の危険があることも知っております。それで私は、そうした危険を避け、代わりに無血性の代替療法を選択することに伴うと思われるどんな危険をも受け入れる決定を下しました。
私は、輸血以外の十分な治療が施されたにもかかわらす、私が輸血を拒否したことによって生じるかもしれないいかなる損害に対しても、医師、麻酔科医、病院、ならびに病院職員の方々の責任を問うことはありません。
私は、裏面に氏名の記された人(たち)に、この指示書に記されている事柄が擁護されるよう見届け、私が血を堅く拒むことに関して生じる質問に答える権限を与えます。
[ 署名・捺印 ] [ 住所 ] [ 日付 ] [ 電話番号 ] [ 証人による署名・捺印] [ 証人による署名・捺印 ]
続いて、バプテスマを受けていない子供を持つエホバの証人の親が子供に携行させるためにものみの塔聖書冊子協会が用意した「身元証明書」カードを掲載します。
日本においては、エホバの証人を親に持つ子供たちの輸血拒否に関する法的な保護はなく、カードの内容は現状に即したものとなっています。
身元証明書
[ 子供の氏名 ] [ 両親の氏名 ] [ 住所 ] [ 電話番号 ]
私たちは親として、自分たちの子供である [ 記名 ] の福祉に深い関心を抱いております。私たちはエホバの証人であり、確固とした宗教上の信条を抱いています。それゆえ、輸血を受け入れません。同種血の輸血には、肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの健康上の危険が伴うことは広く知られています。私たちは事実をよく知った上で、これらの危険を避けるという決定を下しています。無血性の増量剤や、出血を抑え、赤血球の産出を高める医薬品は受け入れます。もし私たちの子供が事故に遭ったり、重い病気にかかったりしたなら、すぐ私たちに連絡していただきたいと思います。私たちは自分たちの宗教上の信条を尊重してくれる医師を知っており、それらの医師は、受け入れることのできる最新の無血性代替療法に関して、相談に乗ってくれます。
[ 署名・捺印 ] [ 日付 ] [ 署名・捺印] [ 日付 ]
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