JWPC - Jehovah's Witnesses Press Club
輸血拒否のための法的・技術的情報
輸血ニュース1999年版
2000年1月1日更新

輸血ニュース1999年版
被害者が輸血を拒否しても殺人罪は適用 (1月報道−AABB・BPRO)

先年12月、米国カリフォルニア州において、飲酒運転によりエホバの証人をはねた男性に対して殺人罪(事前の殺意のない殺人罪)の適用がなされました。
被告は、被害者は輸血を拒否しなかったなら助かっていたはずだと主張しましたが、それでも殺人罪を免れることはできませんでした。
これは、輸血を拒否するエホバの証人を出血多量で死なせても、加害者に殺人罪が問われる判例として記憶にとどめられることになるでしょう。


欧州にて遺伝子組替え第IX因子製剤の本格供給開始 (2月報道−International Blood/Plasma News・SCRIP・BPRO)

バックスター社は、遺伝子組換えによる血友病B治療用のリコンビナント血液凝固第IX因子製剤である“BeneFIX”の欧州における販売を開始しました。


新輸血実施ガイドラインが完成 (2月報道−厚生省)

厚生省は、「血液製剤の使用指針」および「輸血療法の実施に関するガイドライン」の改正が終わり、今後、中央薬事審議会血液製剤特別部会への報告を経て、告知が行われると発表しました。


カナダ、遺伝子組替え血液凝固第VII因子製剤を承認 (2月報道−SCRIP・BPRO)

カナダ政府は、血友病・インヒビターの治療に用いられる、Novo Nordisk社の遺伝子組替え活性型血液凝固第VII因子製剤“NiaState”を承認しました。


英国麻酔科学会がエホバの証人ガイドラインを発表 (3月報道−BBC・AABB・BPRO・「目ざめよ!」誌)

英国麻科酔学会は、エホバの証人の輸血拒否の意志を尊重する内容のガイドラインを発表し、これにより、エホバの証人の医療に関する全国レベルのコンセンサスが確立しました。
このガイドラインは、輸血を拒否するエホバの証人のリビング・ウィルを尊重しなければ、医師は刑事ならびに民事上の責任を問われるだろうと警告する内容となっています。


代用血液、英国と米国で第III相治験へ (3月報道−AABB・BPRO)

アメリカとイギリスで、Hemosol社の代用血液“Hemorink”の臨床試験が順調に行われており、第III相治験が開始されます。


FDA、遺伝子組換え第VII因子製剤を承認 (3月報道・ABC・BPRO)

FDAは、血友病・インヒビター治療薬である、ノボノルディスク社の遺伝子組換えによる血液凝固第VII因子製剤“ノボセブン”を承認しました。


欧州で遺伝子組換え第VIII因子製剤が承認される (4月報道・AHP・BPRO)

血友病Aの治療薬であるアルブミン・フリー遺伝子組換え第VIII因子製剤“ReFacto”が欧州において承認されました。


無輸血の肝移植が成功 (5月報道−Lancet・AABB・BPRO)

ベルギーのリーグ大学は、エリスロポエチンの投与と循環式自己血輸血の組み合わせにより、エホバの証人の肝移植を首尾よく行い、良好な結果を得たと報告しました。


厚生省が新輸血実施ガイドラインを公布 (6月報道・厚生省)

厚生省医薬安全局が、改正された「血液製剤の使用指針」および「輸血療法の実施に関するガイドライン」を公表しました。


今度は無輸血の生体肝移植に成功 (7月報道・共同通信・NoBlood)

今年6月、アメリカロサンゼルスの南カリフォルニア大学病院において、エホバの証人患者に対する無輸血の生体肝移植が行われ、成功しまた。


ミルクからアルブミン製剤を製造する技術が開発される (7月報道・SCRIP・BPRO)

PPL Therapeutics社は、遺伝子操作により、アルブミンを含むミルクを産出する羊2頭を生み出すことに成功したと発表しました。
この技術を用いれば、アルブミン製剤を安価にて大量に供給できるようになります。


植物由来の血液凝固因子製剤が開発される (7月報道−薬事日報・AABB・BPRO)

パシフィック・ノースウエスト・ナショナル・ラボラトリーは、血液凝固第VIII因子、第XIII因子、凝血酵素トロンビンを、遺伝子組換えのなされた植物を用いて生産することに成功しました。


人工血液の開発に進展 (8月報道−日刊薬業・BPRO)

厚生省の高度先端医療研究事業・人工血液の開発に関する研究班は、人工的に血小板、赤血球、免疫グロブリンを合成することに成功しました。
今後、臨床試験を経て、これらの実用化が期待されています。


遺伝子組替えアルブミン、大量生産開始へ (9月報道−日経バイオテク・日刊薬業・薬事日報・BPRO)

遺伝子組替えアルブミン製剤である「アルブレック」の大量生産に向けて、株式会社バイファ(吉富製薬子会社)が建設を進めているバイファ千歳工場がこの10月に完成します。


FDA、オキシジェントの第III相治験を承認 (9月報道−Alliance・Yahoo・AABB・BPRO)

FDAは、Alliance Pharmaceutical Corporationの代用血液“オキシジェント”の第III相治験を承認しました。


人工心肺を用いないバイパス手術に成功 (11月報道−毎日新聞・Yahoo)

国立札幌病院は、狭心症のエホバの証人男性に対する、人工心肺を用いない、冠静脈3本のバイパス手術に成功したと発表しました。


赤血球生産刺激蛋白の成果が報告される (11月報道−日刊薬業・BPRO)

アメリカのアムジェン社は、赤血球生産刺激蛋白NESPの効果に関するフェーズIIIデータを公表しました。

このデーターにより、NESPが少ない投与回数でエリスロポエチンと同等の効果をあげることが示されました。

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