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ハルナさん
2004年7月8日更新

エホバの証人の国連NGO加盟問題について
Subject: 1はじめましてm(__)m
Date: Mon, 21 Jun 2004 22:52:35 +0900 (JST)

私は18歳の大学生で今エホバの証人と研究をしています。
エホバの証人によるHPがあり、私も疑問があってメールしました。
聖書に疑問はありません。が、いままで気にしてなかったのですが、「ものみの塔協会」ってよくわかりません。
国連に参加してたって本当ですか?司会者は「エホバの証人は戦争に参加した事はない」と言っていました。資料を探そうと思ったのですが、インターネットには批判ばかり乗せられていて、正確ではないと思いました。そこで、できれば正確な情報となぜ参加していたのかなどを教えてもらえたいです。


Subject: エホバの証人記者クラブより
Date: Mon, 28 Jun 2004 15:48:27 +0900

エホバの証人個人サイト「エホバの証人記者クラブ」情報部です。
ご質問ありがとうございます。

 最近になって反対者が宣伝している、エホバの証人のNGO加盟問題ですが、ものみの塔聖書冊子協会が国連にNGOとして加盟していたことに間違いありません。これは、宗教法人の登録として扱われていました。
 エホバの証人は、『クリスチャンはこの世のものではない』という聖書の教えを大切にしております。聖書の教えに即して、私たちは、この世の政府機関を政治的には退けております。一方で、聖書は、クリスチャンが政府機関に対して協調関係を築くべきことを説いています。
 聖書が教えているのは、悪魔サタンのものである政治組織と協調関係に入ることです。ここに、政治組織に対する聖書の見方の二面性を見ることができます。
 協調関係を持つべきことについては、聖書はこう述べています。

「すべての魂は上位の権威に服しなさい。神によらない権威はないからです。存在する権威は神によってその相対的な地位に据えられているのです。したがって、権威に敵対する者は,神の取り決めに逆らう立場を取っていることになります。それに逆らう立場を取っている者たちは、身に裁きを受けます」。

 また、このようにも述べます。

「したがって、あなた方がどうしても服従するべき理由があります。その憤りのためだけではなく、あなた方の良心のためでもあります。それゆえに、あなた方は税を納めてもいるのです。彼らは、まさにこのために絶えず奉仕する神の公僕だからです。すべての者に、その当然受けるべきものを返しなさい。税を要求する者には税を、貢ぎを要求する者には貢ぎを、恐れを要求する者にはしかるべき恐れを、誉れを要求する者にはしかるべき誉れを」。

 ここで慎重に考えなければならないのは、政治組織は悪魔サタンと神との両方の「公僕」であるという聖書の概念です。エホバの証人は、聖書の教えに基づいて、自分たちは政治機関に協力すべきであり、これらと共に歩んでいきたいと考えます。しかし、政治組織が神と悪魔との両方の公僕である以上、政治組織には悪魔的な側面もあります。エホバの証人はそのことをよく考慮し、聖書に示されているイエス・キリストの模範にならって、政治的には中立の立場を保ち、この相反する二つの教えのバランスを取るようにしています。
 また、聖書がクリスチャンにこのような従順を説いている背景には、政治機関とクリスチャンとが区別されているという事情もあります。クリスチャンは従順である立場に就かなければならず、それは、従順を求める立場に就くことはないことを意味しています。これは、クリスチャンが政治組織の一員にはならないことを意味しています。
 これまで、エホバの証人に反対する人たちは、この聖書の教えの実践をいろいろな方法であげつらってきました。この種の反対論には非常に多くの実例があります。
 そのうちの一つが、エホバの証人が様々な国において宗教法人の登録をしていることに対するものです。多くの国は、宗教の自由を促進するために、宗教団体が政府に登録するという制度を設けています。認可にあたっては、その宗教団体が国家との協調的な関係にあることを条項によって求める国も少なくありません。これまでも反対者たちは、「エホバの証人にとって政府は悪魔サタンであるというのなら、なぜ宗教法人の登録をしているのか。これはあからさまな偽善ではないか」と訴えてきました。
 今回、反対者たちが、エホバの証人がNGOとして国連に加盟していることに気づいて問題にしたのも、こういった反対論の応用であるようです。
 今回も反対者たちは、エホバの証人出版物から、国際連合のサタン的な側面について語った記述や、信者が国連の職員とならないよう求める記述のみを巧みな仕方で引用して、エホバの証人がきわめて反社会的な教理を持っているかのように人々に思わせることに成功しています。そのあと、エホバの証人がNGOとして国連に加盟している事実を挙げれば、エホバの証人のことをよく知らない人には、いかにもエホバの証人組織が偽善組織であるかのように見えるようです。
 一般的に、国際的なボランティア活動を行う宗教団体は、国際社会ではNGOとして扱われています。そのため、エホバの証人はさまざまなところで、政治機関に対してNGO登録を行うことができます。これは、国連に対しても行うことができます。また、エホバの証人は国連を含めた政治機関との協調関係に入ることができますし、これら政治機関から便宜等を受けることもあります。
 こういった諸事情については、外部の人にはわかりにくいところがあるかと思います。今回の事例は、多くの現役エホバの証人にとっても理解が難しかったようです。
 国際連合とエホバの証人との関係については、「ものみの塔」誌1995年10月1日号にてこのような公式な見解が示されております。

『国際連合に対するクリスチャンの見方
聖書の預言の中では,人間の政府はしばしば野獣で表わされています。(ダニエル 7:6,12,23; 8:20-22)ですから,「ものみの塔」誌は長年,啓示 13章と17章の野獣の実体を,今日の世の諸政府としてきました。国際連合もこの中に含まれており,啓示 17章では,国連は七つの頭と十本の角を持つ緋色の野獣として描かれています。
しかし,聖書のこの見解は,政府や政府の役人に対するいかなる形の不敬をも許容するものではありません。聖書ははっきりとこう述べています。「すべての魂は上位の権威に服しなさい。神によらない権威はないからです。存在する権威は神によってその相対的な地位に据えられているのです。したがって,権威に敵対する者は,神の取り決めに逆らう立場を取っていることになります。それに逆らう立場を取っている者たちは,身に裁きを受けます」―ローマ 13:1,2。
したがって,政治的な中立を厳正に守っているエホバの証人は,人間の政府に干渉しません。革命を扇動したり,市民的不服従の活動に参加したりすることは決してありません。むしろ,人間社会の中で法と秩序を維持するには何らかの形態の政府が必要であることを認めています。―ローマ 13:1-7。テトス 3:1。
エホバの証人は,国際連合機構を世界の他の行政機関と同じように見ています。そして,国際連合が神の許しのもとに引き続き存在することを認めています。エホバの証人は,聖書と調和して,すべての政府に当然の敬意を払い,そのような従順が神に対して罪を犯すことにならない限り政府に従います。―使徒 5:29。』

 そこで、エホバの証人組織としては、国連へのNGO加盟は教理上問題なしと考えていました。これは、反対者たちが言うように、教理に逆らって秘密裏に行われていたものではありません。ただ、NGO加盟について特に公式な言及がなかったことは誤解の原因となりました。
 これまで、エホバの証人組織は、どの国でどのような登録・加盟手続きを行っているとか、そこでどのようなことが条項として求められているか、という情報を信者たちに提供してきませんでした。こういった情報の提供は不要と考えられております。最近でも、新しく就任したものみの塔協会の会長の氏名がアナウンスされないなど、自組織内において世俗的な情報の排除が進んでいます。これには、エホバの証人組織がより宗教的な事柄に重点を置いていることや、近年のカルト批判に応えて組織の簡素化をはかっていることが関係しているようです。
 今回の騒ぎで、結局、ものみの塔協会は国連へのNGO加盟を取り消してしまいました。この理由はやはり公表されていませんが、以下の理由が考えられております。

1.反対者の主張に聞くべき点があった。
国連へのNGO登録には、国家政府に対する登録とは多少異なる要素があります。国連では登録に伴う政治的な要素が強調されておりますので、これによってエホバの証人は教理上不安定な立場におかれています。反対者の宣伝によってこのリスクがクローズアップされたために、いったんは加盟を取り消すことが考えられたのではないかと推測されます。

2.エホバの証人社会の合意が得られなかった
今回の事件では、非常に多くの信者がインターネットを介して情報を調べたため、信者の中からも、反対者の議論に同意する者が多く現れました。エホバの証人組織にとって、信者サイドの同意が得られないということはたいへん厳しい状況です。これに対処するためには、組織と信者との間にコンセンサスが確立される必要があります。エホバの証人組織としては、現状ではNGO登録の解消はやむを得ないことだったでしょう。

3.NGO登録なしでも国連との協調関係は維持できる
エホバの証人にとって、国連と協調関係は、神からの命令であり、決して解消できないことです。しかし、仮にNGO登録を抹消したとしても、国連との協調関係はある程度保てるようです。実際、エホバの証人は難民キャンプの運営などの活動を行っており、この種の活動には国連との協調関係が不可欠です。エホバの証人組織としては、NGO登録抜きで、今後もこのような活動の継続が可能だと判断したようです。

 以上の状況を考慮しますと、今後は再びエホバの証人組織が国連にNGO登録を行うことも考えられます。
 これは組織運営上の不備にかかわることですので、本サイトとしては、これを偽善呼ばわりする反対者たちの宣伝をとても迷惑と思っております。このような反対者の宣伝は、「赤旗」など一部報道機関でも取り上げられていますので注意が必要でしょう。

★エホバの証人記者クラブ★
http://jwpc.milkcafe.to


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