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輸血拒否のための法的・技術的情報
「成熟した判断能力のある未成年者」
2000年1月1日更新

「成熟した判断能力のある未成年者」
 所によっては、いわゆる成熟した判断能力のある未成年者にも、成人の権利と同様の権利が与えられています。年齢もしくは成熟した考えに基づき、あるいはその両方に基づき、ある若者が医療に関して自分自身の決定を下せるほどに成熟しているとみなされることがあります。そのような法律がないところでも、血に関する自分の確固たる決意を明確に表現できる若者の意向に対して、判事や政府関係者がかなりの重きを置く場合があります。逆に、若者が明確に、また成熟した仕方で自分の信条を説明できないとき、裁判所は、乳幼児について決定するときのように、最善と思える事柄を決定しなければならないと感じるかもしれません。
 ある若い男子は何年間か聖書の研究を断続的に行ないましたが、バプテスマは受けませんでした。その青年が「自分のために医療を拒否する権利」を獲得しようとした時、あとわずか7週間で成人に達する年齢であったにもかかわらず、彼のガンの治療に当たった病院は、本人や親の意向に反して輸血を行なうため、裁判所からの支持を求めました。良心的なその判事は、血に関するその青年の信条について簡単な試験をし、聖書の最初の五つの書の名前など、基本的なことを尋ねました。青年はその名を挙げることも、自分が血を拒む理由を理解しているという納得させる証拠を示すこともできませんでした。残念なことに判事は輸血を認可し、「彼の、輸血に対する同意の拒否は、自分自身の宗教的信条に関する成熟した理解には基づいていない」と注解しました。
 神の道を十分に教え諭され、神の真理のうちを積極的に歩んでいる未成年の場合、結果は異なるかもしれません。前述の若者よりも少し若いクリスチャンも、同じようなまれな種類のガンに冒されました。その少女と両親は、著名な病院で専門家による修正化学療法について理解し、その療法を受け入れました。それでも問題は裁判所に持ち込まれました。判事はこう書きました。「D・Pは、自分にできるどんな方法を用いても、自分に輸血が施されることには抵抗すると証言した。彼女は輸血を自分の体に対する侵害とみなし、強姦のようなものだと考えた。彼女は裁判所に対して、自分の選択を尊重し、自分が法廷命令による輸血を施されることなく[病院に]とどまることを許可してほしいと要請した」。この少女が受けたキリスト教の教えは、この困難な時期に少女を助けることになりました。
 ある12歳の少女は白血病の治療を受けていました。児童福祉局は輸血をこの少女に強制できるよう、裁判所に問題を持ち込みました。判事は次のような結論を下しました。「Lは当裁判所に対して、もし自分に輸血を施そうとするなら、全力を振り絞ってその輸血と闘う、と落ち着いてはっきり述べた。自分は叫んだり暴れたりし、自分の腕から注入器具を引き抜き、ベッドのわきにある血液バッグを処分するつもりだと述べた。私は彼女が実際にそうすると思う。私はこの子をそうした厳しい試練に遭わせるどんな命令を出すことをも拒否する。……この患者に関して病院が提唱している治療法は、身体的な意味においてのみ病気を取り扱っている。彼女の感情的な必要や宗教信条を取り扱ってはいない」。

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