エホバの証人の聖書
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エホバの証人に反対していることで有名なある牧師が「生ける水の会」という名前でホームページを公開しており、そこに、私に対する提言が載せられましたので、ここで扱いたいと思います。 なお、このページにおける著作権の扱いについて最初に一言述べておきます。というのも、「生ける水の会」のホームページにこのように書かれているからです。 『当サイトの内容は, 一部分でも監修者に無断で引用することを堅くお断りします。』 『この記事は, 国際著作権法により保護されています。印刷や電子的な方法によらず無断転載を一切禁じます。』
日本には、「反論もしくは名誉回復のための引用は大幅に認められる」という判決がありますので、その判決に照らして妥当と思われる範囲で大幅に引用を行わせていただきました。 |
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まず、この「生ける水の会」の実体についてですが、これは、彼が好んで用いる大げさな名称の一つにすぎないということのようです。ようするに、これは団体ではなく、個人のようです。(そのうち団体に成長するかもしれませんが) 彼は複数の肩書きや名称を用いることで知られていますので、この名称の使用も、そういう活動の一環として、ということでしょう。
運営者の牧師は、ネット上でエホバの証人に嫌がらせをすることでも知られています。しかし、彼は匿名でそういう活動をしていますので、一般には良識ある牧師と思われているようです。
この悪事が組織的に解明されるきっかけとなったのが、今は存在しない「宗教のるつぼ」掲示板です。「宗教のるつぼ」は当時、宗教関係の掲示板としては最大規模を誇っていました。掲示板としての性質は「2ちゃんねる」にいくらか似たものなので、その先駆けと呼べるかもしれません。
審理委員会の決定が常に正しいとは限らないのは、審理委員会の人たちが一番良くご存知のはずですね。何故必要以上にしばしば審理委員会が開かれるかというと、これが結構儲かるからなんです。 ちなみに、この書き込みは、“DANCELION”という名前で書き込まれています。これは、「癒しの翼」という擁護派サイトで知られるDANDELIONさんに対する嫌がらせです。彼は紛らわしい名前を使うだけでは満足せず、偽DANDELIONさんのホームページも作っていました。非常に迷惑な方です。 彼は、自分の正体と活動内容がばれてしまって以降、この種の嫌がらせはほそぼそと行い、ホームページの更新に力を入れておられるようです。 |
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さて、そんな彼が私にどのような提言を行っているかを見てみましょう。 彼は始めに、私の「旧サイト挨拶」から引用し、このように述べています。 『まず, はじめにこの論証は, 個人攻撃のためにあるものではありません。聖書に敬意をささげ, 真摯な態度で聖書研究に取り組んでおられる姿に,感動すら覚えます。……当サイトは, 安易に「新世界訳は改竄された聖書である」とは, 主張しません。その意味においては, 宮原様と意見を同じにするものであります。』 彼は、すくなくとも「生ける水の会」の肩書きにおいては、「新世界訳は改竄された聖書である」と主張しないことにしているようです。
続いて、彼は3つの問題点を指摘しています。 これらの点を指摘した後、彼は私にこう問いかけています。 『嘘で塗り固められた学歴と語学力。これが, 真実のものみの塔である。あなたは、嘘つき教団を擁護したり支持しますか。』 この文書は、一見してまともに見えます。いたって良識的な方法で私を説得しているように見えます。これは、一般にもよく知られている彼のもう一つの顔です。 |
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では、最初に1番目の点を引用し、検証してみましょう。彼はこう書いています。
ものみの塔聖書冊子協会の創始者であり初代会長であるチャールズ・T・ラッセルがギリシャ語に通じていなかったことは, 組織の「1,980年年鑑」93-94頁にも掲載されています。また, 当時の裁判記録でもラッセルは, ギリシャ語が出来なかったことが, 公の場で明らかにされています。ラッセルは, 地方を訪問中, 教会学校の教師の方がギリシャ語の知識があり, 赤面して逃げるという失態を演じたこともあります。
1913年3月17日 カナダのオンタリオ州ハミルトン市警察裁判所で, ものみの塔初代会長ラッセルはJ・J・ロスを「中傷的誹毀罪」で訴えました。それは, J・J・ロスが「牧師と称するC・T・ラッセルにまつわる真実」という小冊子の中で「ラッセルは聖書の本文を読めない」と批判したからです。
J・J・ロス側のスタウントン弁護士:「あなたは, ギリシャ語のアルファベットをご存知ですね。」 彼がエホバの証人の年鑑の記述に触れていますので、とりあえず、それを引用してみましょう。
カナダで最も初期に設立されたエホバの民の会衆の一つは,オンタリオ州ハミルトンの会衆でした。強くて非常に活発なその会衆は,当然ながら僧職者の不興をかいました。真理による強力な攻撃に対して,聖書を根拠にして受けて立つことができないので,僧職者たちは個人攻撃に出ました。僧職者たちは,一人の人,C・T・ラッセルを打倒するため必死になって非難しているように見えました。
問「あなたはギリシャ語を知っていますか」。
ロスは,その質問から「アルファベット」という言葉を削除して,後になされた次のような質問の答えが先の答えと全く矛盾するように仕向けました。
問「あなたはギリシャ語に通じていますか」。
法廷での実際のやりとりは公式の記録からはっきり分かります。(オンタリオ州ハミルトン市警察裁判所1913年3月17日)それによれば,C・T・ラッセルが偽証罪を犯さなかったことは明らかです。M・ジェイムズ・ペントンが著した「カナダのエホバの証人」と題する本によれば,(ジョージ・リンチ-スタウントン勲爵士が行なった)反対尋問は次の通りでした。
「質問『ではあなたはラテン語の教育を受けたと言っているのではないのですね』。
そのあとラッセルは個々のギリシャ文字を知っているかと尋ねられ,「幾らか間違うこともあるでしょう」と答えました。前述の本によれば,そのすぐあとで「リンチ-スタウントンはラッセルに『あなたはギリシャ語に通じていますか』と質問し,ラッセルははっきり『いいえ』と答えました」。
エホバの証人の創始者であり、ものみの塔協会の初代会長でもあるラッセル氏がギリシャ語にあまり通じていなかったことは、彼も指摘しているように、エホバの証人自身が知っていることですから、少なくとも彼に関して「嘘で塗り固められた語学力」などという表現は使えないと思います。 そもそも、新世界訳聖書が最初に刊行されたのは1950年ですが、ラッセルは1916年に死去しています。ラッセルの語学力は新世界訳聖書とは無関係です。 |
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続いて、2番目の点を引用し、検証してみましょう。
フレデリック・フランズのヘブライ語能力
1954年11月
弁護士:「あなたはヘブライ語に精通してきましたか。」
*創世記2章4節をヘブライ語に翻訳する語学力はどの程度なのだろうか。学校で2年ほどヘブライ語コースを選択している学生であるならば誰でも出来るやさしい練習問題である。
F・W・フランズは, 第四代目会長として在任中, 自分を優れた聖書学者として「ものみの塔」誌1977年10月1日号に紹介している。以下引用文
「フランズ兄弟は1945年以来, ペンシルバニア法人の副会長として奉仕しており, 1977年9月12日で84歳になりました。しかし依然として非常に活発にエホバに仕えており, この時もアイルランドからイスラエルまでの11カ国に及ぶ講演旅行から帰ったばかりでした。
そもそも彼は、ギリシャ語(新約)が専門です。彼はギリシャ語聖書原典と、幾つかの翻訳を丸暗記し、ギリシャ語を話すことができました。
彼の、「いやー。訳そうという気持ちが全然起こりませんので (No. I won't attempt to do that.)」という言葉ですが、私が思うに、この創世記 2章4節は普通の英訳聖書からヘブライ語に訳しても原典通りにはならないので、フランズ氏としては、それでちょっとうんざりしたのかもしれません。 ちなみに、「聖書ヘブライ語ハンドブック」は、英語をヘブライ語に訳すことについてこう述べています。 『率直に言わせてもらうと、我々聖書ヘブライ語教師のほとんどは、ヘブライ語を話したり書いたりするにあたってたいして流暢ではない。』 さらにこの本は、聖書ヘブライ語の生徒にヘブライ語の文書を書かせることはしないと述べています。それをすると、どうしても間違いを犯すことになるからです。聖書ヘブライ語学者の語学は、専らヘブライ語を読むことに特化しているというのが実状のようです。 また、「ものみの塔」誌1977年10月1日号の記事が、フランズ氏自身によって書かれた可能性はないと思います。これは彼の推測でしょう。 |
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続きまして、3番目の点を見てみましょう。文の最後に、私に対する提言があります。
更に, 先ほどの法廷は続く。
弁護士:「レスリー氏が述べたところによると, あなたはシンシナティ大学を学位を取らずに中退したそうですね。ところが, あなたはご自分についてこんなことも述べられましたね。セシル・ローズ奨学金を提供されたという事ですが, それは真実ですか。」
*4代目会長フランズがセシル・ローズの奨学金を受けたというのは,「ものみの塔」誌1987年5月1日号24−26頁に掲載されている。以下引用文
「ものみの塔」誌1987年5月1日号24-26頁
ものみの塔を研究している人に送られた手紙を公開しよう。
The Rhodes Scholarship Trust
OFFICE OF THE WESLEYAN UNIVERSITY
14 January 1981
Dear Mr, Cetnar:
Thank you for your letters of December 27.
I have cheked our records and do not find that Fredrick William Franzs was elected to a Rhodes Scholarship. Our records, I shoud note, refer only to Scholars elected from the United Stated. Unless Mr. Franz has cometed successfully as a candidate for the Scholarship in another country, you may conclude that his claim to have been a Rhodes Scholar is incorrect.
Your sincerely,
William J , Barber
フレデリック・フランズの名前は, 記録に見つからない。嘘で塗り固められた学歴と語学力。これが, 真実のものみの塔である。あなたは、嘘つき教団を擁護したり支持しますか。 まず、英語の部分ですが、読めない方もおられると思います。これは「ローズ奨学金」受給者リストにフランズの名前はないことを報告する文書です。 さて、指摘にしたがって「ものみの塔」誌1987年5月1日号の24-26ページを見てみましょう。このように書かれています。
両親は私がさらに教育を受けることを許してくれたので,私はシンシナティ大学に入学し,教養課程を選びました。そのころ,私は長老派教会の説教師になろうと決心していました。
私の大学時代の決定的な時期は,学長のリヨン博士が,講堂で行なわれた学生集会で,私が英国オックスフォード大学への留学資格の得られるセシル・ローズ奨学金を獲得するため,オハイオ州立大学へ行って他の学生と一緒に選考試験を受けることになった,という発表をしたころでした。志望者の一人は陸上競技の点では私よりも成績が優れていましたが,私はその人と比べてひけを取らない成績を収めていたため,大学側はその人と一緒に私をオックスフォード大学へ送りたいと考えました。私はその奨学金を得る資格があることを認められたので感謝しました。普通なら,それは非常に喜ばしいことだったでしょう。
私たちは,イエス・キリストがあるとき弟子たちに,「[あなた方は]真理を知り,真理はあなた方を自由にするでしょう」と言われたのを思い起こします。(ヨハネ 8:32)その年の前年である1913年のこと,兄のアルバートがシカゴで「真理」を知りました。アルバートはどのようにして「真理」を知ったのでしょうか。
私は学び始めていた新しい真理がとても面白かったので,その小冊子をどう思うか,説教師のワトソン博士に尋ねてみたいと思いました。それで,実際,その日の晩に小冊子を博士に手渡して,「ワトソン先生,この小冊子のことを何かご存じですか」と尋ねてみました。
私は,教育当局がセシル・ローズ奨学金資格検定試験の結果を発表する少し前に,当局に手紙を書いて,オックスフォード大学奨学金には関心がなくなったので,志望者の名簿から私を削除してもらいたい旨を知らせましたが,この件で後悔したことは一度もありません。大学で私が師事していたギリシャ語の教授,ジョセフ・ハリー博士から,私がその奨学金を受けるよう選ばれたことを知らされたのですが,私は前述の手紙を当局に出したのです。
読んでの通りです。特に説明はいらないでしょう。 |
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あと、細かいところに注目します。 まず, 新世界訳は, ギリシャ語学者やヘブライ語学者が翻訳した聖書ではなく, ギリシャ出身で「ものみの塔聖書冊子協会」で写植の仕事をしていた故人ジョージ・ギャンギャスの協力を得て, クリスチャン・ギリシャ語聖書(一般に言う新約聖書)が刊行されました。1950年8月ニュヨークヤンキースタジアムにおいて発表されました。
「エホバの証人―神の王国をふれ告げる人々」は、1942年の時点でギャンギャスが本部においてギリシャ語の翻訳をしていたことに触れています。「ものみの塔」誌1967年2月15日号には、彼が翻訳者になったのが1928年であることが指摘されています。 |
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最後に提言と、それに対する返答を述べておきます。 『あなたは、嘘つき教団を擁護したり支持しますか。』 私はこれに対して「イエス」とも「ノー」とも言いません。といいますのも、これまでの経験上、今ここでこういう質問にはっきり答えたりすると、後には彼の手玉に取られることが分かっているからです。彼はしたたかですから、正直者を罠にはめる戦術をよく心得ています。 |
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追記です。 生ける水の会の提言ですが、この記事公開後、末尾に次の一文が追加されています。 『尚,このサイトの信頼性を失わせるために、立腹した輩が、トンデモない記事を書くに到ることも予測している。』 これに対するコメントは特にありません。 |
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さらに追記です。 私の見た限り、この提言はさらに三度修正されたようです。現在、この提言からは、私のサイトからの引用文と私に対する提言の部分が全て削除され、末尾には上記の文章に代わって次の文章が掲載されています。 『当記事は、生ける水の会が宮原崇という個人への提言のために書かれたものでは在りません。当サイトの主張を甚だしく曲解し、かつ、内容を許諾無く引用し、誹謗中傷している管理者に対して、最寄の警察署の刑事課にて被害者届が受理されたことを告示しておきます。当サイトは、正しい聖書教育の啓蒙運動にのみ関心があり、エホバの証人個人には、何の興味も関心もありません。また、当サイトは、エホバの証人の反対者ではありません。歴史的に見てもエホバの証人が、キリスト教会に反対しているだけです。当サイトは、正しい聖書教育の啓蒙運動にのみ関心がありキリスト教会員の啓蒙運動が主眼目的です。』 事実と表現とがミスマッチです。彼がエホバの証人の職業的反対者で、反対活動のためにホームページを作っているということや、彼が私に対する提言を書いたことは、今さら変えようのない事実ですが、これを表現の工夫によってなんとかごまかそうとしているように思えます。
彼が主張する著作権侵害ならびに誹謗中傷、それに基づく被害届については、具体的な内容を見ていませんのでコメントはありません。 |
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さらに追記です。 現在、この提言はさらに書き換えられており、書き換え部分はこうなっています。 『また、当記事は、生ける水の会が宮原崇という個人への提言のために書かれたものでは在りません。当サイトの主張を甚だしく曲解し、かつ、内容を許諾無く引用し、誹謗中傷している管理者に対して、最寄の警察署の刑事課にて被害者届が受理されたことを告示しておきます。当サイトは、正しい聖書教育の啓蒙運動にのみ関心があり、憶測により平気で出鱈目な情報を垂れ流している輩には、何の興味も関心もありません。当サイトは、正しい聖書教育の啓蒙運動にのみ関心がありキリスト教会員の啓蒙運動が主眼目的です。警察に協力する気があるなら逃げ回らず、住所氏名顔写真を公開するべきでしょう。所詮破壊的カルト集団は、滅びるのです。』 実は、彼が警察への被害の届け出を公表したすぐあと、私は自ら警察に出向き、自ら状況の説明等を行っております。私が逃げ回っているという事実はありません。住所氏名等を隠している事実もありません。 |
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また追記です。 現在、「生ける水の会」のホームページは「全日本脱カルト研究会」という団体のものとなっています。 提言にはさらに、私に対する反論として「某新世界訳擁護者の大嘘」という記事がついており、こう書かれています。
(1)ものみの塔の文法解釈を, そのまま納得し, 公開するとは, ギリシャ語能力の底知れず悲しいほどの無知さをさらけ出している。 1については強引な決めつけだと感じました。このサイトの内容を見て「ものみの塔の文法解釈」そのままのように言われるのも困りものです。実際にはかなり違っているのですから。2については、少なくとも現在はそうだということのようです。少なくともある時期まで、エホバの証人反対関係者の間では「このサイトはどこそこの○○牧師がやっている」ということが知られていましたから。たぶん、今も実質は個人サイトなのだと思います。3についてはもはや再調査もしようがありませんので「当人が否定している」と認めるしかないように思いました。4については私自身が管理者情報も含めた「宗教のるつぼ」のデータを持っていますので、「調査の結果は変わらない」としか言いようがありません。5ですが、ホームページをよく見ると確かにメールアドレスが記されています。もっともこれは、2004年2月に「某新世界訳擁護者の大嘘」という記事を書いたときに公開されたものです。といいますのも、私の持っている自動巡回ソフトのログでは、2004年1月の時点ではまだメールアドレスの記載はありませんでしたから。6については異論はありません。 さらに彼は「「新世界訳聖書」は学問的か」という記事もつけていて、私についてこう書いています。 『「新世界訳」を擁護するのは、せいぜいJバイブル1-3などを集めて出鱈目の情報を垂れ流し、自作自演を繰り返し自己満足に浸る総合失調症のエホバの証人ぐらいだろう。』 どうやら私は統合失調症(精神分裂症)であるようです。 |
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またまた追記です。 現在「全日本脱カルト研究会」のホームページから「某新世界訳擁護者の大嘘」という記事は削除され、代わりに「エホバの証人の誤解」という記事が掲載されています。このようになっています。
(1)ものみの塔の文法解釈を、公開される前にギリシャ語、ヘブライ語を正規に学ばれることをお勧めします。 この内容を誰に対して、ということはどこにも書いてないのですが、状況から考えるにやはり私に対して提言を述べているのだと思います。今回は向こうから「話し合い」ということを言っていますので、そのうちこちらから公開質問状でも作成して送付するかもしれません。 |
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追記です。 エホバの証人の用いる論法で「他の翻訳にもこう訳しているので新世界訳は間違いとは言えないようです」などと言う事がある。この考え方自体が新世界訳が、ギリシャ語底本に基づいていないことを露呈している。 この文書についての考察をヨハネ 8:58のところに掲載しました。 |
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